●街中バイクの洪水
ホーチミンの街は、道という道がホンダ・ボーイ、ホンダ・ガール達で溢れ返り、その光景は正にイナゴの大群。日本の暴走族など一瞬にして溺れてまうやろう。それはさて置き、問題はその「鉄のイナゴ」の群れを如何に交わしながら無事に交差点の向こう岸まで辿り着くか、ということや。信号の無いところでは中々群れが途切れへんし、信号が有っても歩行者用の「青」がやたらと短すぎる。普通の大人が早足で渡っても、真中辺りでもう点滅しだす。危ない事極まりない。夜の街の信号の無い交差点で、君らは無事に向こう岸まで辿り着けるか? みんなも是非行って試してみよう。
さて、そのバイクから出る排気ガスだけでも大概やけど、ベトナム人はちょっと人目が少ないとすぐに立小便や野糞をする。だから街中が便所臭い。たった100mぐらいの通りを過ぎる間に、20人以上もの立ちション男を目撃した。(しかも真っ昼間) でも、そのオシッコ通りで平気で日なたぼっこ(乞食じゃなさそう)してる人達も居るからもっとビックリする!
●屋台は社交場
僕が屋台をこよなく愛するのは、上手いメシにありつけるだけでなく、何と言っても現地の人たちとの触れ合いがオモロいからです。屋台や安食堂でメシ食ってると色んな人達が声かけてきてくれて、おしゃべりに花が咲き、見知らぬアナタも突然兄弟! 特にベトナム人はどこ行ってもフレンドリーな人が多くてすごいHAPPYやった。日本語を勉強してるというオッチャンに教科書やらノートを見せてもらうと、昔懐かしい「書き方ノート」や「漢字ドリル」みたいなのんまで一生懸命こなしてて、その努力と意気込みに感心させられた。こっちもガイドを見ながら片言の現地語で応戦。でも、大抵「あいさつ」と「ありがとう」、あと食い物の名前ぐらいで限界やけど・・・。
たとえ言葉が上手く通じなくても、現地の人達の中に混ざって同じ「味」と「空気」を味わえるだけですごいHAPPYです。だから屋台はやめられへん。  
●料理天国
ベトナム料理は流石「東南アジア1」と言われるだけあって、素晴らしく美味かった! 特に現地の人達に人気の屋台や安食堂では格別に美味かったぞ。海鮮スープのフォー(米麺)とか、思い出すだけで頭がフワフワしてくるよー。そうそう、屋台で貝の蒸し焼きを食った時、貝の中身を取り出すための棒(針)を良く見ると、何と安全ピンをびよ〜っと真っ直ぐに引き伸ばしたヤツやった。こんな物もちゃんとリサイクルされてるんや。あと、屋台にトロピカル・フルーツのフレッシュ・ジュース屋があちこちにあって、これがもう美味いの何のって! パインやパパイヤ、マンカウ、その他名前の知らんヤツもいっぱいあったが、腹こわす事なんか臆せず飲んだくれてました。(結局1度も腹こわさんかったよ)
メコン川で捕れた「象耳魚」なるものを食った時、何じゃこのビニールみたいな巻紙は?と思ったら、何とお米を磨り潰して作った「ライスペーパー」なるもので、これに魚肉や野菜、米麺などを巻いて食べるのであった。これは結構驚いた。(後で知ったが、実は日本にもあるらしいな) 
●ホタルの樹
メコン・クルーズもこれまた素晴らしかったぞ! 先ずはとにかくウネウネと流れる河のデカさに圧倒された。ツアーではなく現地で小船をチャーターして、支流の細い川に入っていったら、周りは正に密林ジャングルで素晴らしい光景やった。夕暮れには川辺の木々に蛍の大群がびっしり群がってて、もうクリスマス・ツリーなんかお呼びじゃなかったよ。満天の星空を眺めると、あっちこっちに星が流れていて、お陰で願い事をい〜っぱい唱えることが出来た。全部叶うと世界征服出来そう!
ヴィンロンの水上マーケットも現地の人々のほのぼのした生活が見れてGooやった。食い物や雑貨を積んだ小船がいっぱい浮かんでてそこで商売してるのだが、それだけでなく家として機能してる船も多く、甲板でハンモックに揺られながら寝ている子供とか、かわいかったなあ。
●バス旅行
バス旅行もオモロかったなり! もちろん観光客用のエアコンバスではなく、現地人ご用達のボ〜ロボロのやつで、足元の割れ目からエンジンの熱気が吹き上がってくるわ、どこからともなく物売りが乗りこんできて車内で拡声器使って商品説明始めるわ、暑苦しい中でも賑やかで、ヘタな見世物よりホンマにオモロかったー。欧米人主導の観光ツアーとかで行くより、やっぱしこの方が断然オモロい!(白人のペースだけで物事が進むのは苦痛やし)
 ●ダンシング・ディスコ
ナイト・ライフを楽しもうと夜の街へ繰り出し、「DANCING DISCO」なる看板を発見! 喜んで入って行くと、ホステスのおねーちゃんとペアで「社交ダンス」を踊るDISCOやった・・・。しかもみんな上手くて、あんましにもシャキシャキ踊ってるもんやから、よねっちは完全にたじろいでしまったね。仕方なく麦酒1杯だけ飲んで退散・・・。
●戦火の彼方
ホーチミンから少し離れたクチという所には、ベトナム戦争当時に使っていたゲリラの地下トンネル(全長約250Kmにも及ぶ)が今でも残っていて、観光名所になっている。実際に入って這いずり回ってみたが、汗だく泥だらけでこりゃもう大変! しかし、我々が今やってるのはただのモグラ遊びだが、当時の人達はここで「戦争」をやってたんやからなあ・・・。雨が降ったりしたら、このトンネルの中、一体どうなるんやろか? アメリカ軍の空襲で大地が裂ける音とか、この中で聴いたらどんなに恐ろしいやろう?
あと、やっぱしこれも戦争の後遺症か、地雷で足を無くした人が街にいっぱいいた。これはホンマにいたたまれない思いになるね。
 それにしても、長い戦争で家族や友達を失ったりしてみんな大変な生活をしているのに、僕達のような甘ったれた国から来たアホ共を温かく迎えてくれて、ベトナムで出会った人達からの親切には本当に感謝の気持ちでいっぱいです。


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ホーチミンの
海鮮屋台

露天で砂糖きび
ジュースを

米軍戦車の残骸(クチ)

水に浮かぶ家
(床上浸水寸前)

メコン川の夕暮れ(ミトー)