●エジプト時間
「Just a moment! Only 5minutes・・・OK?」(チョット待ッテ!5分ダケ、OK?)
エジプシャンからこう言われたら、大事な用件じゃない限り、さっさと諦めて次の相手を探す方が無難。軽ぅ〜く1時間ぐらいは戻ってこない。

●エジプシャン便所
男子用小便コーナーの便器がやたらと高すぎて、チ○チ○が届かない! うんちコーナーのJ字形ウォッシュレットには、時々うんこが突き刺さってる・・・

●食い物&音楽
共通して言えることは、最初は何となく美味そう、でも胃に辿り着いた頃には・・・もう限界! 
とにかく油ギッシュすぎ!!

●ビール瓶のラベル
 何でもかんでもNo Problemの一言で片付くエジプト。例えば、空けていないはずのコーラやペプシでも、よく見ると中身の量が明らかに違ってたりする。
 また、現地で知り合った友達3人でカフェにお茶をすすりに行った時のこと。客はまばらしか居ないのに何故かグラスが足りないとの事で、3人のうち1人は何とジャムの空き瓶で運ばれてきた。マスターは笑顔で一言、「No Problem」。お前が言ってどないすんねん!と叫ぼうとしたが、よく見るとジャムの空き瓶のお茶はグラスのそれより多くて、得した気分になってしまった・・・
 更に、泊っていたゲスト・ハウスの食堂でのこと。食堂と厨房を繋いでる通路を見ると、壁をぶち抜いた後のギザギザ・デコボコが残ったまんま。何でそのまま残してるのかと聞くと、やっぱりNo Problem。(歩けるから構わんよ!)
 しかしそんなAboutな中でも、見逃せないシビアな一面を発見した。それは何とビール瓶のラベルだ! よ〜く見ると、「500ml±10ml」なる、律儀なのか適当なのかよく分からん表示がついてる。エジプシャンよ、アンタら、ますます分からん・・・。

●ラマダーン
 よねっちが訪れた時は、丁度イスラム教徒の断食月“ラマダーン”の始まりやった。日の出から日没まで飲まず食わずで過ごして夜になると皆でバカ食い、という日々が1ヶ月続くお祭りシーズン(?)なのである。こんなことやから、もう想像出来るでしょう、昼間の駅の切符売り場や銀行に郵便局その他諸々がまともに機能しないということが!
 しかし昼間は散々イライラさせられても、日暮れの断食明け(Ramadan Breakfast)からは世界が一転! みんなで家の前に鍋や鉄板を並べて、国籍・人種・宗教問わず皆に食事を振舞って、大勢で騒ぎながら食う。こんな温かい家庭料理は見たことが無い! よねっちもあっちこっちで食わせてもらい、身も心も満腹です。
 ラマダーンの夜はとにかく賑やか。みんな夜通し大騒ぎで忙しく走り回る。その喧騒に耳を傾けながら自転車でブラブラ走るよねっち。そうこうしてるうちに、踏切に差し掛かり、あまりの光景に暫し呆然。渋滞にシビレを切らした人々や車、馬車、自転車にバイクが狭い踏切目掛けて我先にと突っ込むから、みんなが立往生! 踏切の管理人(踏切やポイントは手動式)が遮断機を閉めようとするがダメで、列車も踏切の手前で立往生!! クラクションや列車の汽笛が鳴り響くが、列車や車が立往生してるのをいい事に、人々がどんどん流れ込み向こう岸へ渡って行く。その光景を見ながら喜んで笑っていると、踏切監視小屋の2階からよねっちを呼び声が。見上げると、「こっちに上がって来〜い」と手招きしてる。小屋に上がると、一生懸命働いてるのは一人だけで、他のみんなは宴会真っ最中。チャイやらお菓子やらいっぱい勧められ、頬張りながら下界の様子を窺う。自分があの列車の中にいる光景を想像すると立ち眩みがしそうだが、何もかも筋書き通りに進んでしまう日本より、この国のペースの方に本能的に馴染んでいくのを感じるよねっちでした。

●無償の親切
 ルクソール東部の農村地帯を自転車でノロノロと走っていた時のこと。「私の家でお茶でも飲んでいかない?」と手招きしながら潰れた英語で話しかけてきたのが15〜16歳ぐらいのコギャル?(エジプトでは立派な大人だが)、マソーダちゃん。見知らぬ地での親切なお誘いに感激したよねっちは、お言葉に甘えて彼女の家へ招待される事にした。
 石と木を適当に組み合わせただけ、という感じの実に貧しい家だが、家族一同から手厚く歓迎されるよねっち。「アッサラーム・アレイクム」と、覚えている僅かなアラビア語で挨拶すると、家族一同大喜びでアラビア語の連打を浴びせてくる。しかし全然分からないよねっちは、ひたすら笑顔でその場を取り繕う・・・。時は丁度昼下がり。小さな子供も含めみんなが断食中にも拘わらず、チャイやパンを勧めてくれる。旅行者で、しかも異教徒のよねっちに対し、何という温かい心遣い!ただただ感謝感激あるのみ。
 その後、子供達と砂糖きび畑で遊びまわり、帰り際にみんなで記念写真をしようとした時、マソーダちゃんはピンクの綺麗な民族衣装に着替えてきてくれた。彼女と並んで写真をとった時、何かこっちの方が照れてしまったなり・・・。
 最後に「バクシーシ(お恵み〜!)」を言われるかと一瞬思ったが、本当に最後の最後まで無償の親切でした。

 この旅の丁度1ヶ月ほど前に、ルクソールのハトシェプスト宮殿でイスラム過激派による銃撃テロがあったばかりで、よねっち自身多少ビビってはいたのだが、でも実際に行ってみると、一般庶民は異教徒に対してもこのように親切に接してくれるのでした。日々の生活の中で純粋に自分達の信仰を守り、アラーの神に感謝の意を表しているだけなんやね。現地のカフェで知り合ったオッチャンも、「イスラム原理主義者によるテロ」という報道に対して激怒していて、「テロ集団とイスラムを一緒にしないでくれ!!」と一生懸命訴えてました。
 イスラム過激派によるテロが起きる度に、報復として各国でイスラム教徒の一般庶民が弾圧されたりするけど、その人たちには何の罪も無い訳やし、我々と同じ普通の人間だということを絶対に忘れてはならないと思う。



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カイロの街角で
水タバコ

ハトシェプスト宮殿
(ルクソール)

マソーダちゃんの
家に招かれる

フルーカ(帆船)上の
ナイルの夕暮れ

ルクソールの
農村地帯
エジプト編 Vol.1
よねっち紀行